オユンエルデネ首相はフィナンシャル・タイムズのインタビューに応じた
オユンエルデネ首相はフィナンシャル・タイムズのインタビューに応じた
オユンエルデネ首相は、イギリスのフィナンシャル・タイムズのインタビューに応じ、ロシアのウクライナ侵攻によって、モンゴル経済にも影響が出ていると語った。航空機の上空通過料収入を失うなどの金銭的損害が生じ、ロシアから必要な物資を輸入することが困難になっているという。さらにオユンエルデネ氏は、モンゴルは対ロシア制裁措置によって「自国に非がないにもかかわらず、二重の制裁を科されているようなもの」と窮状を訴えた。モンゴルは燃料をロシア企業に「完全に依存しているが、その代金の支払いが困難になった。オユンエルデネ氏は「ウクライナの状況は単なる2国間の紛争ではない。世界経済に甚大な悪影響を及ぼしており、とりわけモンゴルを含む内陸国への打撃は大きい。経済制裁は広範囲に影響を及ぼし、対象国以外も悪影響を被るため、幅広い調査を踏まえた上で実施しなければならない」と述べた。ロシア上空経由で欧州とアジアを結ぶ便を運航していた航空会社は、モンゴルの領空を通過する対価として上空通過料を支払い、これが貴重な収入源となっていた。欧州連合がロシアの航空機によるEU領空への乗り入れを禁止すると、ロシア政府は報復として欧州などの航空機によるロシア上空の飛行を禁止した。このため、欧州の多くの航空会社は北極圏を通過するか、もっと南寄りの中央アジアやトルコ上空を飛行するルートを取らざるをえなくなり、モンゴルの上空通過料収入は失われた。さらに、ロシア国内ではウクライナ紛争に関連してディーゼル燃料、ひまわり油、採掘装置などの必需品が不足しており、モンゴルが日常的に使用する一部の製品の供給が不安定になっている。オユンエルデネ氏は2022年10月にドイツを訪問し、8月には国連のグテレス事務総長を首都ウランバートルに迎えるなど、相次いで外交の場を通じてこれらの問題を取り上げてきた。モンゴルは重要な物資の供給をロシアに依存するのと同様に、石炭、銅その他のコモディティー輸出を中国の需要に依存している。石炭と銅はモンゴルの輸出全体の約6割を占め、次いで金と鉄鉱石が2割を占める。11月下旬に中国とモンゴルを結ぶ新しい国際鉄道路線が開通され、モンゴル政府はこの鉄道を利用し、年間石炭輸出量を新型コロナウイルス感染拡大前の約3000万トンから8000万トンまで拡大したい考えだ。
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