2022年度の主なニュース
2022年度の主なニュース
まず、国連事務総長の訪問について。
モンゴルは非核兵器地帯化宣言30周年、国連平和維持活動参加20周年にアントニオ・グテーレス国連事務総長が8月8日から11日にモンゴルへ訪問した。この際、国連事務総長は「モンゴルは非核兵器地帯だからこそ訪問している」と世界へ特別にメッセージを発信した。グテーレス事務総長の訪問は、非核兵器の国家であることの威信と重要性を示した出来事となった。2009年に潘基文元総長が訪問して以来、国連事務総長のモンゴル訪問は今回初めてである。訪問の際、グテーレス事務総長はモンゴルの首脳らと会談した。今年はモンゴルは平和維持活動に参加し始めた20周年で、平和維持活動に参加した、軍人の代表者と話したり、遊牧民家庭に訪れたり、ミニナーダムを視察したりした。
次はチンギスハーン博物館が開館されたニュース。
10月11日、チンギスハーンの生誕860周年に匈奴国から20世紀の初頭まで2000年の歩みを語る「チンギス・ハーン」博物館が開館された。この博物館は、過去30年でモンゴルの社会文化分野での最大の建設の一つになっている。さらに、博物館はアジアのトップ10の一つで、原本展示品でも最大である。「チンギスハーン」博物館には約1万2000点余りの展示品があり、その92%は原本で、残りは外国の博物館や図書館、文書館にあるコレクションの模本となっている。博物館の建物の構造は国際基準に基づいて建てられており、世界的なAR(拡張現実)及びVR(仮想現実)技術が導入され、前世紀の歴史を自分の携帯電話でも見学可能である。宝物保管、保護の最新技術を導入し、専門のスタッフが揃っており、遊牧文明を総合的に展示できているのが特徴だ。
2022年はモンゴルの兵隊が国連平和維持活動に参加した20周年だった。
2022年には、モンゴル軍が国連平和維持活動に参加してから20周年を迎えた。モンゴル政府と国連間で署名された「覚書」の枠組みで、2002年から南スーダン、アフガニスタン、西サハラ、コンゴ、イエメン、シエラレオネ、チャドを含む7ヶ国で2万人以上の平和維持要員が派遣された。モンゴルは平和維持要員の派遣人数では24位、911人の女性要員を派遣した人数では20位にランクされている。モンゴルが国連平和維持活動への協力と要員派遣20周年を記念し、大統領の後援の下で6月16日~18日にかけて「女性と平和、安全保障」をテーマの国際会議をウランバートル市で開催した。8月にモンゴルを訪問したアントニオ・ グテーレス国連事務総長は、「モンゴルの歴史はモンゴル軍の歴史であることに同意する。モンゴルの平和維持要員を含め、豊かな歴史と伝統を持つ国民とは、他国よりも強く、勇敢で戦士の資質で際立っているのが当然のように思えた。モンゴルの平和維持要員の勇気は、モンゴル人の遺伝子にあるものだ」と強調した。
次はモンゴル国立馬頭琴交響楽団は東京NHKホールで公演したニュース。
2022年には我が国でモンゴル日本外交関係樹立50周年記念行事が一年中開かれた。記念行事の一環として、モンゴル国立馬頭琴交響楽団が11月30日に東京NHKホールで記念コンサートを開催した。これは、同ホールでモンゴルからコンサートを開催した初の楽団になったことだけではなく、訪日中のU.フレルスフ大統領夫妻と天皇皇后両陛下が共に鑑賞された歴史的な出来事となったのだ。また、天皇陛下の第126代天皇即位後の初のコンサートになったことも特徴だった。コンサート終了後、徳仁天皇陛下は楽団員と再会され、2007年に楽団と共演された当時の写真を見ながら「とても懐かしい」と話されたとのこと。モンゴル国立馬頭琴交響楽団は1992年に設立されてから30年間、ユネスコ及び日本、中国、韓国、オーストリア、スイス、 カナダ、トルコ、アメリカ、フランス、ドイツ、イタリア、ロシアなど30ヶ国以上の名門劇場の舞台で、国内外の素晴らしい作曲家の作品を演奏してきた楽団である。
次はバリトン歌手アマルトゥブシンに関するニュース。
クラシック音楽界でモンゴルという名を世界的に轟かせ、2016年から10以上の名門劇場と契約を結び活躍している人民俳優のアマルトゥブシン歌手は、2021年に世界の「ベスト・バリトン」歌手に選ばれた経過がある。2022年に世界のオペラニュースを届けるホームページ「 オペラ・ワイヤー」が今年のベストオペラ歌手の一人として発表した。彼はイタリア、スペイン、ベルギー、ドイツ、フランス、イギリスなどヨーロッパ各国のオペラ劇場でヴェルディの「リゴレット」でリゴレット役、「トルバドゥール」ではルナ伯爵、「ナブッコ」ではナブッコ、「アイーダ」ではアモナズロ王、「 運命の力」ではドン・カルロ、プッチーニ「トスカ」ではスカルピアを演じ、観客から高く評価されているのだ。「オペラ・ワイヤー」ホームページは、アマルトゥブシン歌手は「現代の最高のバリトン歌手の一人だけでなく、世界的オペラ劇場で最も人気のある歌手の一人でもあり、ヴェルディ作品の役をバリトンボイスで征服している」と強調した。
次はThe Huバンドはユネスコ平和芸術家に任命されたニュース。
ロックやメタルにモンゴルの伝統的な楽器&歌唱法を取り入れたモンゴルのフォークメタル・バンド、The Huがロック・アーティストとして初めて「ユネスコ平和芸術家」に任命された。ユネスコ平和芸術家(UNESCO Artist for Peace)は芸術文化を通じて世界の平和の大切さを、特に若い世代の人達に伝えていくために、ユネスコから任命される称号である。11月25日、The Huバンドは、パリにあるユネスコ中央本部でユネスコ事務局長のオードレ・アズレから「ユネスコ平和芸術家」に任命された。2022年8月にアズレ事務局長がモンゴルを公式訪問した際、The Huのメンバー8人に会い、彼らの音楽スタイルと考え方がユネスコの価値観や活動に共鳴するとすぐに感じたとのこと。2016年にモンゴルの首都ウランバートルで結成されたThe Huバンドは、「Hunnu Rock」と呼ぶ独自の音楽ジャンルを作り上げた。ロックやヘヴィメタルと、ユネスコの無形文化遺産に登録されている喉歌ホーミー、ツール (モンゴル版フルート)、馬頭琴といったモンゴルの伝統音楽のスタイルを融合している。「The Hu」バンドは、2022年にも世界ツアーを続けた。同バンドは2022年に、アイルランド、イギリス、オーストラリア、日本で演奏会を行った。12月8日、「The Hu」はロンドンでニュー・アルバム「Thunder」を発表し、ミュージックビデオ「This Is Mongol」は、イギリスのヘヴィメタルとロック・ミュージック誌「Metal Hammer」が発表するベスト・ロックビデオ10の一つに選ばれた。このミュージックビデオについて同誌には「『The Hu』の全てのミュージックビデオを見たことがある人なら、彼らの故郷モンゴルへの旅行の準備を始めているかもしれない。それは4人メンバーで構成されるこのバンドは、モンゴルの壮大な自然のなかでビデオ撮影している。なお、『This Is Mongol』はアメリカのモハーヴェ砂漠で撮影されている。それでも、いつもと同様に素晴らしい演奏だった」と書かれている。
「国璽なき国家」 劇はドラマ劇場の舞台で117回公演された。
モンゴル国の労働英雄、人民作家、詩人の故ラグワスレン氏が著した劇「 国璽なき国家」を2022年に「ヒーローエンタテインメント」スタジオのB. バータル演出家が身体的演劇の形で再演出した。国立ドラマ劇場の舞台で117回上演された同劇を、国内外の観客6万8074人が観劇したのが劇場の観劇記録を更新した。2023年はモンゴル・英国外交関係樹立60周年であり、その記念事業の一環として「国璽なき国家」はロンドンのウエスト・エンドでの公演に 向けて準備を進めている。「国璽なき国家」 の英語版での監督を歴史学者のジョン・メン氏と劇作家のティンバーリック・ヴェルテンベイカー氏らが務め、演劇脚本の英語訳をモンツァメ通信社のソドントゴス社長が行った。
再生回数: 374
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