モンゴル人民党のフレルスフ前首相が当選確実に
モンゴル人民党のフレルスフ前首相が当選確実となった
バトトルガ大統領の任期満了に伴う大統領選挙が9日、投開票され、同日深夜、与党のモンゴル人民党党首のフレルスフ前首相が当選確実となった。フレルスフ氏は9日深夜に記者会見を開き、「私は勝利した。モンゴルのすべての人々に感謝する。子どもたちや若者たちに良い社会を残すため最善を尽くする」などと事実上の勝利宣言をした。選挙には他に、最大野党民主党の元国会議員のエルデネ氏と、全国労働党と社会民主党、正義党が擁立した元国会議員のエンフバト氏も立候補した。10日未明に報じられた開票状況によると、フレルスフ氏は81万以上の票つまり投票総数の68%を獲得し、2位のエンフバト氏に3倍以上の差を付けた。フレルスフ氏は与党の組織を活用し、地方を中心に票固めを進めた。「モンゴル人が天然資源のオーナーだ」と訴え、外国企業との資源開発で自国に多くの利益が出るよう話し合いを進める考えを示した。1月にコロナ対応を巡って国民の一部から批判を受けて内閣総理大臣を辞職したことの影響を指摘する声もある。エルデネ氏は自由などを尊重する考えを選挙戦を通じて訴えたが、民主党をまとめ切れていないとの指摘もあった。エンフバト氏はIT企業を創業した実績を持ち、「モンゴルはできる」というスローガンで、ウラーンバートルを中心に若年層の支持を集めていた。選挙では資源開発への外資の活用法や雇用対策などの経済政策を巡って各候補がそれぞれの意見を訴えた。モンゴルの大統領選挙は1990年に民主化が始まってから8回目だ。過半数を獲得する候補が出なければ、上位2人による決選投票に進む仕組みだ。国家元首である大統領は軍の最高司令官であるほか、国会の決定事項に拒否権を持つ。任期は昨年の憲法改正で最長1期6年となった。昨年の国民大会議の総選挙では、モンゴル人民党が定数76議席のうち62議席を獲得して圧勝した。民主党は11議席だった。モンゴル人民党は今年5月に人民革命党と合併している。全国の登録有権者は204万人余りで、120万人あまりが投票し、投票率は59%だった。投票所では職員が新型コロナ対策でマスクと手袋を着用し、有権者もマスクを着け、手の消毒を受けた。
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