モンゴルの子どもを対象とした知能検査を開発
モンゴルの子どもを対象とした知能検査が開発された
モンゴルの子どもを対象とした初めての知能検査を、名古屋大学の研究チームとモンゴル国立教育大学が共同で開発した。約3年半かけてモンゴルの子ども約1200人に調査を実施した。モンゴルでは近年、発達障害への関心が広がり、支援が必要との声が高まっている。開発したのは、名古屋大学心の発達支援研究実践センターの研究チームである。同チームは2013年からモンゴル教育大学と協力し、モンゴルの子どもの心や発達の問題について支援と研究を行ってきた。発達障害は脳の機能が十分に働かない障害で、読み書きや計算など特定のことが苦手な「学習障害」、注意力がない「注意欠如多動症」、コミュニケーションが難しい「自閉スペクトラム症」などに分類される。周囲が障害を理解し、特性に合った支援を行うことが求められている。そこでチームが着目したのが、日本の知能検査。チームは日本で幅広く利用されている「田中ビネー知能検査Ⅴ」を基に「モンゴル版」の開発をスタートした。日本版のイラスト問題で使っている救急車をモンゴルの救急車に変更したり、モンゴルのなじみのある行事を文章問題の題材にしたりするなど工夫を重ねた。チームは2021年1月からモンゴルで子どもに関わる専門職の人を対象に、モンゴル版の使い方研修を始める予定だ。研究チームリーダーの野邑健二・名古屋大学心の発達支援研究実践センター特任教授は「今後は子どもの発達を専門的に支える人材の養成もモンゴルで行っていきたい。」と話している。
再生回数: 768
Tweet