「モンゴルの都市環境:変容の諸相」と題したシンポジウムが開催された
「モンゴルの都市環境:変容の諸相」と題したシンポジウムが開催された
宮城県仙台市にある東北大学で14日と15日に「モンゴルの都市環境:変容の諸相」と題したシンポジウムが開催された。東北大学東北アジア研究センターの岡洋樹教授らは、数年前から、文化人類学、建築学、心理学、地理学、歴史学、都市計画などの研究者や実務家と一緒に「都市としてのモンゴル」の研究を進めている。特にウランバートルのゲル地区が、どのように変容しているかについて、様々な角度から迫っている。今回のシンポジウムは、その流れの中で開かれた。東京工芸大学の八尾廣教授は、「遊牧から定住へ ウランバートルのゲル地区と社会主義時代のアパートに見る定住文化の萌芽」と題して発表した。八尾教授は、建築学の立場から、ゲル地区を快適な住宅地に変えるための方策について研究している。ゲル地区の住宅を訪ね、住民の聞き取り調査を行うとともに建物の間取りや屋根、壁、床の構造などを調べている。その結果、野菜を作り、木を植え、庭造りを行う住民がおり、中には近隣住民と協力し、土地を広く利用したり、歩道に花壇やベンチを設けている事例があることも分かった。八尾教授は「住環境を改善しようとする意識の高い住民が増えており、コミュニティー意識が芽生えている」と分析している。一方、建築士の立場から「固定家屋の断熱に関する知識が不足しています」とも指摘している。
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