モンゴルで、人工知能やフィンテックなどを担うスタートアップ企業が台頭している
モンゴルで、人工知能やフィンテックなどを担うスタートアップ企業が台頭している
首都ウランバートル市で、人工知能・AIやフィンテックなどを担うスタートアップ企業が台頭している。担い手の中心は海外の大学に留学したり大手企業を経験したりした「帰国組」だ。モンゴルでは先端技術の実務経験がある人が少ないため、海外で経験を積んだ30代を呼び戻す大きな理由がモンゴルで急速にITインフラが整いつつあることだ。モンゴルの主要産業は寒さが厳しい冬季は多くの活動ができないが、季節を問わない産業としてIT分野の強化を急いでいる。電気料金が周辺国と比べると安価のため、サーバーセンターの設置に適している。もともとモンゴルでは伝統的に数学教育に力を入れており、IT産業が育つ素地はあった。モンゴル通信規制委員会によると、国内のスマホ普及台数は2018年末に420万台で、スマホの登場で発展しているのが金融分野である。スマホで申し込めば5万トゥグリク日本円で約2千円から3分程度で無担保の少額融資を受けられ、期日内の完済率は98%である。ウランバートル市は2018年に初の起業支援施設「ハブイノベーションセンター」を開設した。ただ起業家の中には、政治とビジネスの距離が近い同国特有の社会構造を懸念する見方は根強く、距離を置くスタートアップは多い。モンゴルは日本語を話せる人材が多いことから日本企業の進出が目立つ。外務省統計によると、2017年10月1日時点でモンゴルに拠点のある日系企業数は505社だった。AI技術者など高度人材に特化したモンゴルの紹介会社、スペシャライズド・キャリア・コンサルティングは9月、日本で活動を始めた。2019年度中に200人を日本に送り込む計画である。一方、近年では米国をはじめ日本以外の国に関心を示す若者が相次ぎ、なかでも中国に注目する人が増えている。ウランバートル市が設立した起業支援施設「ハブイノベーションセンター」も韓国企業と提携している。
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