「思春期からの健康なライフスタイル構築のための持続可能な仕組みづくりプロジェクト」が終了した
「思春期からの健康なライフスタイル構築のための持続可能な仕組みづくりプロジェクト」が終了した
JICA国際協力機構の草の根技術協力事業の融資による「思春期からの健康なライフスタイル構築のための持続可能な仕組みづくりプロジェクト」はウランバートル市のゲル地区の第71番学校をはじめ35、58、31番学校、「シネ・ウイェ」私立学校で4年間にわたり成功裏に実施された。日本の自治医科大学地域医療学センター公衆衛生学部門がモンゴルの教育・文化・科学・スポーツ省、保健省、モンゴル国立医科大学、首都保健局、教育局と協力で実施したこのプロジェクトの終了式典が、5月28日にウランバートルホテルで開催された。プロジェクトの4年間の結果についてサブ・プロジェクトマネジャーの江角伸吾さんが「プロジェクトを立ち上げるに関係省庁や学校への訪問、思春期の若者、親、教師らにインタビューし、若者の実情を把握したうえで、仕組みづくりの準備態勢を整え、スフバートル区の思春期の若者が、性感染症や不適切な妊娠の予防教育に対して積極的な対応、思春期の若者のピアグループができ、思春期からの健康なライフスタイルづくり活動を行うといった3点に焦点を当てながら活動してきた。プロジェクト終了後もモンゴル定着に向けてモンゴル側の実行委員会メンバーから形成されたNGOを立ち上げた。」と報告した。モンゴルの人口の4割を19歳以下の思春期の若者が占めている。ここ数年、思春期の健康、特に性の健康問題が増加している。首都ウランバートル人口の6割が密集するスフバートル区のゲル地区では思春期女子の妊娠と性感染症率が高いにもかかわらず、若者が学校で性や健康なライフスタイル構築に関する健康教育を受ける機会は少ない。プロジェクトでは思春期の仲間から仲間へ性に関する正しい知識や情報を共有するだけではなく、人生設計のピアエデュケーションを実施し豊な自己実現を目指してもらうという重要な特徴がある。モンゴルの教育・文化・科学・スポーツ省の就学前教育専門家兼モンゴル側顧問のボロルマーさんは「性の問題など敏感な問題を仲間同士で話し合うといった思春期の若者の年齢と精神特徴を基盤にしたのがこのプロジェクトの命だ。プロジェクトでは保健と教育分野の協力に基づき全レベルの行政機関と連携できる制度が築かれた。今後『健康な将来の持ち主』NGOがモンゴルの義務教育学校と大学で4年間の結果と経験を活かし、モンゴルに定着させていく準備が整った。」と感想を述べた。思春期からの健康なライフスタイル構築のための持続可能な仕組みづくりプロジェクトの一環で2018年7月に「健康な将来の持ち主」NGOが設立されたのが、継続的な仕組みづくりに重要な拠点になると、JICA国際協力機構に高く評価されている。
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