モンゴル政府は、使用済み自動車の適正処理と再資源化に関する法律を作成する
モンゴル政府は、使用済み自動車の適正処理と再資源化に関する法律を作成する
近年、モンゴル政府が燃費の良いエコカーに対する税制優遇措置を導入したこともり、ハイブリッド自動車が急増している。中でも一番人気はトヨタのプリウスで、人口100人当たりのプリウス保有台数は世界一と言われ、ウランバートル市内には「プリウスセンター」と呼ばれるプリウス専用の自動車整備工場まである。ところが、モンゴルでは、使用済み自動車の適正処理と再資源化に関する法律が整備されておらず、使用できなくなった自動車の不適切な処理や不法投棄によって環境問題を引き起こしている。ハイブリッド自動車に使用されるニッケル水素バッテリー・HVバッテリーについては、モンゴルではバッテリーとしての寿命が尽きると、ゴミとして廃棄されている。こうした状況を受けて、政府は、使用済み自動車の適正処理と再資源化に関する法律の作成に着手した。国際協力機構JICAは、使用済み自動車の中でも鉛バッテリーが特に深刻な環境汚染の原因となっていること、また、HVバッテリーの再資源化については日本企業にノウハウが蓄積されていることから、使用済み自動車バッテリーの適正処理と再資源化に焦点を当てた協力を行うこととした。モンゴル政府が法制度整備を進める傍ら、現場では日本企業や大学が率先する形で、HVバッテリーのリサイクルシステム構築に向けた動きが始まった。遊牧民は使用済み鉛バッテリーを太陽光パネルなどの発電システムとつなげ、電源として利用していますが、鉛バッテリーの代わりに、より汚染リスクの少ないHVバッテリーで代用できないか、東北大学の研究グループは、モンゴル国立大学と共同で研究を開始した。今回のJICA調査をきっかけに、複数の日系企業が、モンゴルにリサイクル工場を建設し、一次処理を行うことに関心を寄せるなど、課題解決に向けた動きも出てきた。
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