世界最古とみられる巣穴の化石がモンゴル西部で発見された
世界最古とみられる巣穴の化石がモンゴル西部で発見された
名古屋大学の大路樹生教授らの国際共同研究グループは生物が海底に掘った世界最古とみられる巣穴の化石をモンゴル西部で発見した。5億5000万年前に泥状の海底だった場所で、巣穴を作るような生物が定説より少なくとも1000万年以上早い時代に登場していたことを示す。生命の進化を考えさせる重要な発見という。成果はイギルスの科学誌「ロイヤル・ソサエティ・オープン・サイエンス」の電子版に2月28日、掲載された。発見されたのは、直径約1センチのチューブのような巣穴の痕跡である。巣穴は海底下でU字型に曲がり、両端が海底につながっている。巣穴の主の化石は見つかっていないが、巣穴の形から考えてミミズのような生物だったと推定されている。従来、この時代の地層ではカイメンやイソギンチャクなどに似た生物の化石は見つかっていた。筋肉組織がかなり発達したミミズのような生物の存在を示す巣穴の化石は、時代を約1000万年下った古生代以降の地層からしか見つかっていなかった。
再生回数: 1599
Tweet