日本政府は教育の学習環境改善に貢献する
日本政府は教育の学習環境改善に貢献する
国際協力機構JICAはウランバートル市初等・中等教育施設整備計画に署名した。国際協力機構JICAは、11月30日、ウランバートルにて、モンゴル国政府との間で「ウランバートル市初等・中等教育施設整備計画」を対象として23億7900万円を限度とする無償資金協力の贈与契約を締結した。この事業は、首都ウランバートル市内において、モンゴル政府が今後、学校建設を進める際のモデルとなる、質の高い初等・中等教育施設を4校整備するものだ。対象施設には、障害児への合理的配慮、防災対策、環境配慮の観点から設計を工夫し、学校を訪れる全ての人々が使いやすいよう、ユニバーサルデザインを適用するとのこと。モンゴルの2015年の初等教育純就学率は99.3%、中等教育前期までの義務教育期間 計9年の 修了率は97%と高い水準にある。しかし、近年、ウランバートルへの急激な人口流入に対し、教育施設整備が追い付かず、二部制・三部制による授業を余儀なくされるなど、学校の受け入れ能力不足による学習環境の悪化が深刻な課題となっている。そのため、新たな教育施設の整備が必要となっているが、既存の学校施設には質の面でも課題が見られる。モンゴルの政府は障害児のニーズにあう教育サービスの開発を教育分野の目標の一つに掲げているが、実際の学校施設においては、障害児が安全・快適に学ぶためのバリアフリー設計などの適用が不足しているほか、障害への理解不足から、設備はあっても十分に利用されていないケースもある。また、防災対策の観点からも学校施設の質向上が求められている。具体的には、政府による調査により全国656校の学校のうち、242校が非耐震設計であることが分かっており、耐震性能を有する施設の確保等が課題になっている。このような状況において、同事業により、教育施設の不足が改善されると共に、モンゴル政府が今回整備された4校をモデルとして、今後質の高い初等・中等教育施設の建設を推進していくことが期待される。また、JICAはこの案件と、現在実施中の「障害児のための教育改善プロジェクト」との連携を予定しており、障害を持った児童も含めて誰にとっても使いやすい学校づくりをハード・ソフトの両面で支援し、モンゴルの学習環境を包括的に改善することを目指しているそうだ。
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