北海道大学総合博物館の研究グループは、モンゴル・ゴビ砂漠で新種の恐竜の化石を発見した

Odgerel 2017-08-10 03:08

歴史

北海道大学総合博物館の研究グループは、モンゴル・ゴビ砂漠で新種の恐竜の化石を発見した

北海道大学総合博物館の小林快次准教授らが参加する研究グループは、モンゴル・ゴビ砂漠のトゥグルギーンシレーにあるカンパニアン期つまり3000年から7000万年前の地層から、新種の恐竜の化石を発見した。今回の新種発見は、白亜紀後期のモンゴル・ゴビ砂漠からのものとしては、約30年ぶりとなります。見つかった化石は足の部分のみであるが、解析の結果、オルニトミムス類に属することが分かった。モンゴル・ゴビ砂漠の白亜紀後期つまり1億年から6,600万年前の地層においては、オルニトミムス類の恐竜の化石は数多く発見されている。しかし、カンパニアン期の地層からはこれまで2つの化石しか見つかっておらず、しかも分類の推定が難しい化石であった。今回の化石が見つかったトゥグルギーンシレーは、モンゴルの首都ウランバートルから南西約600キロメートルに位置する。この地のカンパニアン期の地層からは、初めて発見されたオルニトミムス類の化石である。発見された化石は、前出の2例と比べて、非常に保存状態がよく、左足の完全な全体と、そしてかかとの骨が残っていた。これによって、アジアにおけるオルニトミムス類の進化史の空白は埋められることとなった。これまで湿潤な環境にのみ生息していたと考えられてきたオルニトミムス類が乾燥した環境にも適応していた可能性が強く示唆されたのだ。今後の研究としては、さらなる発掘で他部位の化石を発見することによって、より詳細な位置特定を行うとのことである。