日本の「国民年金制度」のノウハウをモンゴルに「導入」するプロジェクトが進んでいる
日本の「国民年金制度」のノウハウをモンゴルに「導入」するプロジェクトが進んでいる
日本の「国民年金制度」のノウハウをモンゴルに「導入」するプロジェクトが進んでいる。大草原で暮らす遊牧民の年金加入を進めることが目的である。プロジェクトスタートから1年を迎えた今月の15日から25日にかけて、モンゴル政府職員20人が日本を訪れ、研修を受けた。研修生のうち15人は日本年金機構や静岡県内の年金事務所で窓口対応や入力業務などを視察した。残りの5人は国立社会保障・人口問題研究所で人口推計や財政検証などを学んだ。 モンゴルでは会社員は年金に加入することになっているが、遊牧民は任意加入である。モンゴル政府が懸念しているのは、将来、無年金の遊牧民が増え、貧富の差が拡大することである。モンゴルの高齢化率は現在4%程度だが、今後は急激な高齢化が予測されている。モンゴルの年金受給開始年齢は男性が60歳、女性は55歳だが、高齢化を見据え、来年1月から段階的に男女とも65歳まで引き上げることが決まっている。モンゴル政府が日本に協力を求めたのは、急激な少子高齢化など社会の変化に合わせて見直しを進めてきた経験にあると言う。特に現金収入の少ない遊牧民の年金加入には、非正規労働者が増えてきた日本実態が参考になる。国民年金は負担能力に応じて保険料を納められる仕組みで、納めた保険料に応じた年金額という事で、「無年金」になることは避けられる。
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