ダリガンガ族の銀細工
ダリガンガ族の銀細工
モンゴル職人の細工ものは技術、デザインによっていくつかに分けられる。その1つがダリガンガ銀細工の独特のデザインで、その2つとない技術は我々の時代に受け継がれてきた。繊細で上品な技術でありながら深い意味を表すダリガンガ技術はブランド化され、有名になった。ダリガンガ族の細工師達が女性の衣類、装飾品にサンゴをたくさん使い、浮き彫り、彫刻、ピンワークと合わせ、金メッキにするなど絶妙な色の調和を生み出すのが格別である。ダリガンガ女性の帽子のボタン、月模様、髪飾り、止め金、ブレスレットをはじめ、めん棒、爪切り、裁縫道具入れまで20種類余りの装飾品を純銀で作っていた。くしにサンゴ、真珠、トルコ石をはめ、銀で鍛造する。これ以外にもモンゴル人が良く使う鞍、茶碗、火打ち道具、さや入りナイフなどにサンゴをはめ込み、精巧に細工する。依頼者の要望に応え、馬の焼き印、家系の家紋も鍛造されていた。ダリガンガ族の有名な細工師バルダン・オソルさんは1964年に鍛造した銀製の大型茶碗の底に神話の鳥ガルダをほうろうで焼きつけて作った技術はまた1つの特別な作業だった。1690年代にモンゴルが満州の支配下に入った時、ダリガンガ族は満州の天皇の馬の群の世話をしていた。その見返りとして銀塊で給与をもらっていたのでこの地域は銀で溢れていた。そこで、その銀を利用し、生活用品や装飾品を鍛造するしかなかった。1800年から1970年までの170年間で20人余りの銀細工の名人が生まれた。
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